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病院への恐怖心、苦手意識どうすればいい? 〜ある柴犬さんの奮闘記 エリザベスカラー編〜

こんにちは! いぬの病院バウバウの林です。 突然ですが、皆さんはエリザベスカラーや口輪にどんな印象を持っていますか? エリザベスカラーは手術後の証。 噛み付く子なのかな? 口輪は海外の猛犬が着けていそう…。 見た目がかわいそう… 一般の飼い主様はこのように考えていることが多いですが、動物関係の仕事をしている人からすると、上記のように考える人は少ないと思います。 筆者も小学生くらいの頃は良いイメージは持っていませんでした。 マイナスイメージを持ちがちなエリザベスカラーや口輪ですが、実際はわんちゃんと周りの人を守る大切な役割を持っています。 ●エリザベスカラーとは? 首回りに巻くものでエリマキのような形をしています。多くの病院ではプラスチック製品を取り扱っています。 ・装着することで手術後や治療中の患部を舐めることを防ぎます。 ・処置時に消毒液が染みたり、痛い!と驚いた患犬が獣医師や保定者(獣医さんが診察を行いやすいよう患犬が動かないようサポートする人)に噛みつかないようにします。きちんとした処置をするためのサポート役です。 ・処置が見えないように目隠し代わりとして使うことで安心してくれる子もいます。 ※透明なタイプと色付きで透けないタイプがあります。 エリザベスカラーの由来は上の写真のような衣服の装飾品からついたといわれています。   なかなかイメージがわかない飼い主様や、受診同伴の小さなお子様にはエリマキトカゲに例えて説明することあります。🦎 ●口輪とは? 頭の後ろから口全体を覆うのもで格子状のコップのような形をしています。プラスチック、金属性がよく取り扱われています。 ・触ると痛みが酷く、思わず暴れてしまうようなの顔周りの疾患(重度の外耳炎や外傷、目周りの疾患)などがある時、どんなにおとなしい子でも思わず噛みつくことがあります。 きちんとした処置が出来ないと痛みや治療は続き、通院回数も増えていく一方でしょう。 エリザベスカラーだけでは対処しきれない時に活躍するサポート役です。 ・ドイツなどのペット先進国では犬が電車に乗るときや街中を散歩するときに装着することがあります。 周りの人に安心感を与えるためはもちろんですが、日本でいうお散歩バッグをもつことのようにマナーとして扱われている地域もあります。 もし、近所に性格が温厚な大型犬がいたとしても、ぱっと見の外見で怖がられることが多いですよね。 こんな時は口輪をつけている方が飼い主様も周りの人もより安心できます。 日本ではめったに見ませんが、子供や他犬への咬傷事故予防や、悪意のある人がわざと毒物を食べさせようと道端に落としてある物の誤飲対策として使われる事が多いです。 ・散歩時の拾い食い防止具としても使われます。 エリザベスカラーと口輪についてご理解いただけましたでしょうか? 「そんな使い方もあるんだ!」と知ってもらえると嬉しいです。 さて、今回はとある理由で当院にエリザベスカラーと口輪の練習に通ってくれている柴犬さんを紹介します。 柴犬のはるちゃん   2022年2月で10歳になったおやつ大好きな女の子です。 筆者が撫でると素敵な笑顔を向けてくれます。 実はここまで撫でさせてくれるようになるまで約5か月。初診抜きで計算すると合計12回来院してもらいました。 はるちゃんの初受診は2021年の9月頭、「メディカルシャンプーを受けてみたい」と電話を受けたところから始まりました。 お住いの地域の多数のトリミングサロンから暴れるからと言う理由で断られてきたのですが、皮膚の状態が悪そうなので何とかシャンプーを受けたいとの事でした。 初来院はお姉さんとはるちゃんだけでした。 はるちゃんは落ち着きは無く、病院から逃げ出そうと一生懸命自動ドアに向かってお姉さんを引っ張っていました。初めての場所が怖いのは当たり前のことです。 お姉さんからは、「体を触ろうとすると噛む子です。」と事前に申告がありました。 診察では体を触るのでお姉さんに許可をもらいはるちゃんが振り向いた際に、保定者が噛まれないようエリザベスカラーを着用することになりました。 ところが、はるちゃんはエリザベスカラーを見た途端、更に興奮状態になってしまいエリザベスカラーをつけることが困難になりました。 鹿あばらのおやつで気を引きながらスタッフが近づける状況を作るために、お姉さんに1枚マジックテープでとめるだけの簡易エリザベスカラーを装着してもらいました。 リードで動きをコントロールするトレーナー、おやつを与えるトレーナー、装着係のお姉さんと3人がかりでした。💦 何とかマジックテープ型を装着できたので、病院スタッフも近づくことができる状態を作ることができました。 マジックテープのみだと顔を強く振った時に抜けてしまうので、2枚目にパチッと止めるスナップボタンのエリザベスカラーも装着しました。 来院してから10分はかかったように思います。診察の為とはいえ、はるちゃんにとっては怖い経験だったのではないでしょうか? エリザベスカラーを2枚つけた後、改めて顔を見ると左耳を掻いたのか脱毛し黒ずんでいることが分かりました。(上の写真) 他サロンにお断りされ続け、シャンプーが出来ないということは耳掃除も出来ていないということです。左耳は皮膚病になっていました。 今後、当院で耳の治療とメディカルシャンプーを受ける為に、まずは口輪とエリザベスカラーをつけられるようになることが必要と判断されました。 「すぐに慣れるものではないので、半年以上かかる可能性もあります。初めは週1.2回きてもらい、慣れてきたら徐々に来院間隔を広げていきましょう」と説明したところ、快く承諾いただけました。 はるちゃんに触れるようになるまで、耳の皮膚病は飲み薬で治療をします。 〜病院慣れ練習開始〜 病院慣れのための通院に協力してくださるのは、普段一緒に暮らしているおばあさまです。 初めの1~3回来院は週一回のペースで来院してもらい「病院は怖くないし、おやつが食べられるところだ!」と良い印象を持たせることが目標です。 初来院で嫌な思いをしているので、2回目の来院はもちろん警戒態勢でした。 「おやつは欲しいけど騙されないぞ!帰りたい!」とおばあさまに帰宅の眼差しを向けていました。 おやつは食べたり食べなかったりとこちらを警戒していましたが、ある発見をしました。 『はるちゃんは野菜と魚系のおやつが好き!』 いろんなおやつで気を惹こうと試している中で、バウバウグループで取り扱っている鹿肉シリーズよりもお芋のおやつへの反応が非常に良かったです。 他にも乾燥人参や野菜バー、魚ジャーキーが好みということが分かりました。 はるちゃんの来院モチベーションアップにつながるので、好物のおやつが発見できただけでも大きな進歩です! 3回目の来院時にはおやつを高確率で食べてくれるようになり、はるちゃんは自分から進んで病院へ入ってきてくれました。 筆者自身とても嬉しかったです♪ 4回目以降はエリザベスカラーや口輪の練習を組み込んでいきます。 いきなり装着はせず、無害なものが近くにあると認識させるところからスタートします。 近くにおやつを落とすと自分から近づいてくれるので効果的かと思います。 クンクン匂いを嗅いだり、手で触ってチェック中のはるちゃん🐶↓ 病院に来ることが楽しいと思ってもらえるまで1ヶ月はかかるかと見積もっていたのですが、とても早い段階で「病院に来ることが楽しい!」と思ってもらえることができました! はるちゃんは3回目で実感できましたが、わんちゃんの生い立ちや、生まれ持っての性格により物事に慣れるペースは異なります。 皆様のご愛犬は新しい環境の変化や、見知らぬ人への反応はどうでしょうか? 飼い主様が愛犬の性格を把握していると、しつけやトレーニングを効率的に進めることが出来ます。一度「うちの子はどんな子だっけ?」と改めて向き合う時間を設けてみても良いですね! さて、本題のエリザベスカラー装着練習を始めていきます。 〜エリザベスカラー装着練習開始〜 エリザベスカラーは装着するときに、ペラペラに広げた状態でワンちゃんのグルッと首に回す事が一般的な付け方です。 はるちゃんは来院することが楽しくなってきている段階でしたので、楽しく学んでもらうことにしました。 ここでワンポイント! 初めに説明したように、エリザベスカラーには透けるタイプと、色付きやぼかし加工で透けないタイプがあります。 透けないタイプから練習を始めると中身が見えないので怪しさが増してしまいます。慣れるまでは中身が見える透けるタイプから練習を始めるといいですね。 “頭が自由に通るくらいの穴”になるようボタンを留め、床に伏せます。 ※きつすぎるとすぐに外せないですし、何より「何かついた!」とパニックなる可能性があります。 中におやつを落とします。 しっかり見ていますね! 得体の知れないものに顔を通すことはワンちゃんにとって抵抗があります。 はるちゃんは下の写真のように頭を通すまでは、前足でガリガリと器用にひっくり返そうとしていました。手先が器用な子だと発見もありました😳 エリザベスカラーが怪しいものではないと理解すると頭を通すようになりました! ※床が滑るのでエリザベスカラーが滑り逃げないよう押さえて補助をしています。 ”両耳が完全に穴の中に入る”と、あとはワンちゃんが顔を上げると自然とエリザベスカラーが装着できます。 通常、このままだと頭を振るとすっぽ抜けるので、1ボタン締め直したり、もう1枚装着したりします。 練習中はるちゃんは絶妙にゆるいくらいがパニックになりにくいので締め直しは行いません。 床に置いたおやつだけだとご褒美が足りないので、上手くできたら”手からご褒美”をあげます。エリザベスカラーがついた後にも良いことがあった経験をさせます。 ”顔はめパネルみたいな楽しいゲーム”だと思ってくれれば大成功ですね! 実際、はるちゃんはおやつ欲しさに、床におやつが無くてもエリザベスカラーに頭を通すようになりました。 はるちゃんのエリザベスカラー練習はこれにて終了です。 週1回ペースで来院してもらい、9回目で抵抗なく装着できるようになりました。 エリザベスカラー装着中にポンポンと軽くたたくように触る練習もしていたので、体もかなり触らせてくれるようになっています! 「撫でて~」と体をこすり当ててきたときはとても嬉しかったです(^^♪ 撫で方にも好みがあるようで、短い時間でポンポンされることが好きなはるちゃん。 毛の流れに沿って優しく撫でると、少し不満を感じ「キャン!(そうじゃない!)」とおしゃべりしてくれます。 いかがでしたか? エリザベスカラーをつける機会が無いと思っていても、いつ何時ご愛犬が怪我や病気、手術をするかは誰にも分かりません。 つまり、いつでもどのワンちゃんもエリザベスカラーが必要になる機会があるということです。 今回は病院に通って楽しく遊びながら練習しているはるちゃんのお話しでしたが、お家でも練習できるので装着が苦手な子や、一度もつけたことがない子はぜひ実践してみてくださいね。 次回! エリザベスカラー編の続編、口輪装着練習のお話です。 お楽しみに! いぬの病院バウバウ 医事主任 林

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