お知らせ 2022.04.08 混合ワクチンは何種を打てばいいの? こんにちは 動物看護師の窪田です。 ようやく暖かい日が続くようになりましたね。 日も長くなりご愛犬と外に行かれる方も多くなるのではないでしょうか? お外に出る機会が増えますと感染症対策もより必要となります。 予防関係はたくさんあって混乱されてしまうかもしれません🙄 特に混合ワクチンは何種を打てばいいのか迷いますよね😥 勿論、獣医師と相談して決めるのがベストではありますが、今回は6種と10種の違いについてお話ししていこうと思います。 6種混合ワクチン 下記の感染症を予防するワクチンが含まれています。 ●犬パルボウイルス感染症・・・子犬で多く見られますが、免疫が落ちている成犬でもかかります。 血液が混ざった急な下痢や嘔吐を生じて最悪の場合命を落とします。 とても伝染性が高いウイルスです。 ●犬ジステンパーウイルス感染症・・・呼吸器症状や消化器症状、神経症状など様々ですが、根本的な治療法はありません。 こちらも命を落とすことが多いです。 また、助かったとしても神経症状などの後遺症が残ることもあります。 ●犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)・・・感染犬の排泄物や唾液などから感染。 侵入したウイルスは肝臓や腎臓など全身に広がります。 その名の通り肝炎を主として嘔吐や下痢などを引き起こします。 突然死することもあります。 ●犬伝染性喉頭気管炎(アデノウイルス2型) 発熱やくしゃみ、鼻水などの症状があります。 単体で重症化することは稀ですが、他との混合感染により重度の呼吸器症状を起こします。 ●犬コロナウイルス感染症 成犬では症状が出ないことが殆どです。 子犬が感染すると下痢や嘔吐など激しい胃腸炎を起こします。 人のコロナウイルス感染症とは異なります。 ●犬パラインフルエンザウイルス 咳や水様の鼻水などを起こします。 他の感染症との混合感染で重症化します。 ケンネルコフとも呼ばれ、多頭飼育やペットショップから迎え入れた子に多く見られます。 10種混合ワクチン 6種の混合ワクチンにレプトスピラ感染症の型が4つ含まれています。 こちらは必須ではなく推奨ではありますが、推奨するには理由があります。 そこで10種に追加されたレプトスピラ症を見てみましょう。 ●人と動物に共通して感染する人獣共通感染症。 ●感染した野生動物(主にネズミ)の尿中に菌が排出されます。 それに汚染された水を飲んだり、土壌との接触により皮膚の傷口などから菌が侵入して感染します。 ●嘔吐など症状は様々ですが、肝不全や腎不全が代表的です。 甚急性の場合は進行が早く、それらが起こる前に命を落とす可能性があります。 ●様々な型があり、型に特化したワクチンが必要。 ●治療が成功しても数ヶ月〜数年間(あるいは一生)尿中にレプトスピラの菌が排出されて新たな感染源になる可能性。 ©︎Osaka Prefectural Govemment 引用:大阪府 レプトスピラ症 奈良や京都、大阪府内でも感染が見られます。 特に野生動物の多い山や、川などに遊びに行くことが多い場合は積極的な接種をお勧めします。 また、都会なら問題ないと思われがちですが、降水などで下水の水があふれている場合など油断は出来ません! 下水の水にはそこで生活するネズミのおしっこが含まれている可能性があります。 Q.結局どっちを打ったらいいの? A.お外に行かれるのであれば10種混合ワクチンを推奨します! Q.10種の方がアレルギー反応起こしやすい? A.はい。 当院が取り扱っている10種混合ワクチンは6種と比べて副反応の報告例が多く上がっております。 そういう意味では10種の方がアレルギー反応が起こる可能性が高いといえます。 しかし6種にはレプトスピラのワクチンが含まれておりません。 アレルギー反応は様々ありますが、命に関わるアナフィラキシーショックはどれくらいの確率で起こるのでしょうか? ワクチン製剤の種類によって多少変わりますが日本におけるワクチン接種後の重度有害事象は1万回接種につき7.2頭の発生と言われています。 そして、万が一感染症にかかってしまうと、命を落とす可能性や他の子に感染してしまう可能性があります。 つまり健康な子の場合は打たないことによるデメリットの方が圧倒的に高いのです。 ご愛犬の命を守るためにも先ずは当院に相談してみませんか? ※万が一有害反応が起こった時の午前中に接種することを推奨します。 接種後数時間で稀に軽度の有害事象が発生します。 夕方に接種すると有害事象が起こった時には病院が閉まっている可能性があります。 命に関わることは基本的にありませんが、ご心配な方は夕方接種をさけてください。 最後までご閲覧ありがとうございました。 動物看護師 窪田 関連記事:当院におけるワクチン接種時副反応に対する取りくみについて お知らせ 一覧に戻る 問い合わせする